エンプロイアビリティ ~希少な人材になるために
【目次】
エンプロイアビリティって何?
『アメリカ人は名前と職種を言い、日本人は名前と所属を言う』という”海外自己紹介あるある”があります。聞いたことがあるかもしれません。
例えば、このような自己紹介のやりとりです。
マイク「はじめまして、マイクです。メカニックエンジニアです。」
佐藤「佐藤です。パナソニックで働いています。」
アメリカ人は専門分野の技術を持っていることに誇りを持っていて、日本人は大手企業に所属することを誇りに思っている、ということの暗喩で、その趣旨は日本人に対する皮肉です。
ご存知かもしれませんが、転職などで所属する組織が変わったとしても、変わらず発揮できる能力を『エンプロイアビリティ』といいます。
エンジニアは転職しても、それまでに培ったエンジニアリング能力は活かされるわけです。それがエンプロイアビリティです。言い換えると特色、強み、武器などですかね。
一方、パナソニックは自分の能力ではないので、エンプロイアビリティではありません。なので「会社は自分の能力じゃないのに、なんで誇らしげに言うんだ?」という皮肉につながるわけです。
あなたのエンプロイアビリティは?
そこで、あなたに聞きたいのですが、あなたのエンプロイアビリティって何でしょう?
すぐに思いつかなければ、一度キャリアの棚卸しをしたほうがいいかもしれませんね。キャリア・コンサルティングを受けて、コンサルタントに手伝ってもらうと効率的に見つけられると思います。
例えば、私の場合、エンプロイアビリティはこのようなものになります。
1. 事業の立て直し能力
2. マネジメント能力
3. キャリアカウンセリング能力
4. 英語能力
5. ウェブに関するマーケティング、デザイン、プログラミング、分析能力
なお、エンプロイアビリティは転職に限らず、組織内の部署異動や承認昇格にも優位に働きます。エンプロイアビリティが高いと、いろんな課からお声がかかりますし、プロモートもされやすくなります。
掛け算でさらに価値を上げる
エンプロイアビリティは複数持つようにしましょう。それらの能力を掛け合わせることによって相乗効果が生まれ、価値も上がっていきます。
例えば、大谷翔平選手は投手としても一流、打者としても一流です。プロ野球選手は何百人(何千人?)といますが、「投手の能力」×「打者の能力」の相乗効果によって、大谷選手は日本でもアメリカでも唯一無二の存在になっているわけです(投打以外の魅力も当然ありますが)。
これがエンプロイアビリティの掛け算です。
私のようなジェネラリストは、何かについて突出した能力を持っている専門家ではありません。残念ながら大谷選手のように一流の能力を掛け合わせて超高付加価値を生み出すことはできません。
その代わり、ジェネラリストは幅広い業務に携わるわけですから、数で勝負することが可能です。エンプロイアビリティを2つを掛け合わせるよりは、3つ、4つ掛け算するほうが総合力が高まりますし、希少な存在になりえます(たいして高くない能力をいくら増やしても価値は上がりません。器用貧乏にならないように注意しましょう)
自分にキャッチコピーをつける
自分の価値がきちんと相手に伝わるように、自分のエンプロイアビリティをまとめて端的に言えると良いですね。いわば自分につけるキャッチコピーです。
コピーを自分に付けられれば、エンプロイアビリティが身についたということかもしれません。
もし今、コピーが思いつかなければ、なりたい自分を表現するのも良いと思います。キャッチコピーを先につけて、なりたい自分に近づいて(アイデンティティを確立して)いきましょう。
ちなみに、私のコピーは『立て直し専門のジェネラリスト』です。
自分の強みをいくつも育てて、どんどん付加価値をつけていきましょう。
意識高いヨミモノ
『チームのことだけ、考えた。――サイボウズはどのようにして「100人100通り」の働き方ができる会社になったか』(青野慶久)の感想(49レビュー) - ブクログ
たとえ今の会社が解散しても、年収を落とさずにキャリアアップで転職できるようにエンプロイアビリティを高めておくことが、結果的に今の職場でのキャリアを確立することにもつながると思います。
サイボウズ社では、他の企業の面接を受けて査定された給与額をもとに給与アップを交渉できるそうですよ(詳しくは本を読んでください)。
外部の評価を確認するために、他社を受けてみるのも良いと思います。私自身、去年受けましたが労働市場での自分の価値がわかったので、受けてよかったと思っています(年収200万UP査定でしたが、家族を説得できず断念しました。辛みが深い)
ご一読あれ。