STP

【目次】

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マーケティングの重要ポイント、STPについて解説します。

 

STPとは?

まずはSTPとはなんぞや、という話から。

STPと言っても、アメリカのモーターオイルブランドではありません。ストーン・テンプル・パイロッツの略でもありません。

Segmentation、Targeting、Positioning の頭文字をとってSTPと呼んでいます。 

  • セグメンテーション(segmentation):市場における顧客のニーズごとにグループ化する、市場をセグメントする。様々な角度から市場調査し、ユーザ層、購買層といった形であぶり出し、明確化していく。
  • ターゲティング(targeting):セグメント化した結果、競争優位を得られる可能性が高い、自社の参入すべき市場セグメントを選定する。選定には、複数のセグメンテーション軸を組み合わせて行なうことが一般的である。その際には、ターゲットの経済的価値(市場規模、成長性)やニーズを分析することが重要である。
  • ポジショニング(positioning):顧客に対するベネフィット(利益)を検討する。自らのポジションを確立する。そのためには、顧客のニーズを満たし、機能やコスト面での独自性が受け入れられるかがポイントとなる。
(一部、wikipediaから引用)

では、ひとつひとつ見ていきます。

 

 

セグメンテーション

まずはセグメンテーションから。

「切り口」という意味です。私はターゲティングの前処理というイメージを持っています。

例えば、B to Cビジネスを展開する場合、想定エンドユーザーは誰でも良いっていうわけではないですよね?「全ての人にオススメです」なんていう商品は、誰にも支持されないなんてことはもう皆さん知ってますよね?

資金が潤沢にあるならマスマーケティングも可能でしょうが、それにしたって日本国民1.3億人全員を対象に商品を訴求するなんていうのは非効率極まりないです。そこで、セグメントを設定してターゲットを絞ってマーケティングを展開するわけです。

例えば、展開しようとする製品やサービスに応じエンドユーザーを性別、年齢、国籍、居住地、嗜好などさまざまな切り口でグルーピングしていきます。

 

コカ・コーラのセグメンテーションは?

コカ・コーラを例にセグメンテーションを深掘りします。

サッカーワールドカップ(ロシア)の開催時に流れていたCMを覚えてますか?


このCMはどのようなセグメントをもとに制作されたものでしょうか?動画を見て、ちょっと考えてみてください。

まず、サッカー(観戦)が好きかどうか、という切り口がありますよね。ワールドカップ中に流すCMですから。他には年代がありますね。登場人物は全員若い世代です。さらに性別もありますよね。男性のほうが多く登場しています。

 

これをテーブルで表すと、こうなります。まずサッカー(観戦)の嗜好性はこのような表です。

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好きか、好きじゃないかの2択です。

 

次に、同じテーブルに年代を加えてみます。

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XYの2次元です。一気に6択まで増えましたね。便宜上、3世代にしましたが、もちろん10歳未満や70代以上も加えられます。

 

さらに、性別を加えてみます。

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いびつな感じになりましたが、イメージできるでしょうか?切り口が3つなのでXYZ軸のキューブができます。12択まで増えました。

 

セグメンテーションとはつまり、この選択肢を作るグルーピング作業です。

イメージをつかめたでしょうか?

今回の例では切り口を3つまでにしましたが、4つ以上の切り口も当然ありえます。図では表しきれなくなるだけです(図にしたらグチャグチャになります)。市場規模や分野によってはもっと細かくセグメントしていかなければなりません。

 

ターゲティング

続いてターゲッティングです。

セグメントの中から訴求する相手を選択することです。的を絞って照準を定めるわけですね。やってることはゴルゴ13と大して変わりません。

違うのは死ぬか死なないかくらいです。

 

上述のコカ・コーラの例を再度用います。まずはサッカー(観戦)の嗜好性。黄色がCM上のターゲットです。サッカー好きに照準を合わせます。

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次に、年代を加えます。サッカー好きの中でも10~20代に照準を合わせます。

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最後に性別を加えます。サッカー好きの中で10~20代で男性の方に照準を合わせます。

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まとめると、コカ・コーラの広報担当は今回のCMで、サッカー好きで10~20代の男性をターゲットにしていると考えられます。

つまり、このCMのメッセージは「ヤングなメンズはサッカー観ながらコーク飲め!」です。

以上がターゲッティングの流れです。

 

ポジショニング

最後にポジショニングです。

簡単に言うと自社商品の優位性を見える化し、他社製品との差別化を図るための作業です。見える化するためにポジショニングマップと呼ばれる図を作成します。

コーラを例にするとこんな感じになります。

 

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4つの象限を俯瞰しながら、競合との差別性や商品の独自性を確認します。

プロットポイントの近くに競合商品がない場合は、差別化が可能といえます。ただし、周りに何もない(エリアがスカスカな)場合は、あえて誰も展開・進出していない(作っても売れない)とも考えられるので注意が必要です。逆に商品が密集している場合は競争が激しいといえます。

 

軸は自分で設定しなくてはいけません。軸を設定する際の注意点は下記のようなものがあります。

  • 「ヘルシー」に対して「ヘルシーじゃない」といった否定語を使うのではなく、「ヘルシー」「ジャンク」のように対極となるような言葉を使いましょう。
  • ばらつきが生まれるような内容にしましょう。コーラで価格が「高い」、「安い」を設定しても数十円しか幅がありませんのであまり意味がありません。
  • 軸は2つとは限りません。他にも「ノーマルコーラ」と「フレーバーつきコーラ」の軸もあるでしょうし、「個人向け」と「パーティー向け」の軸を設定する場合もありえます。その場合は別途マップを作成します。

今回の例はコーラに絞ってポジショニングマップを作りましたが、他にも炭酸飲料やソフトドリンク(つまり上位カテゴリー)における立ち位置を決めるマップも必要です。

つまり、複数のマップを作って戦略を立てないといけないわけですね

 

意識高いヨミモノ

booklog.jp

『なぜゴッホは貧乏で、ピカソは金持ちだったのか?』

タイトルは釣りです。 『金持ち父さん貧乏父さん』や『さおだけ屋はなぜ潰れないのか』と同じです。ゴッホピカソはほとんど出てきません笑

さて、「信用経済」というワードを聞いたことがありますか?これまでは商品と貨幣を交換することで経済が成り立っていました(貨幣経済)が、今後、信用経済の時代に変わっていきます。

これは、インターネット・SNS・AIによって、個人が自由にかつ容易に情報を発信したりコミュニティを作れるようになった影響が大きいです。InstagramTwitterのフォロワー数に応じて価格が決まる美容サービスや、自身の時価総額に応じて仮想通貨でシェア・トレードできるサービス(VALU)がすでに出ていますが、今後さらに人の価値によって財・サービスの授受が行われるようになっていきます。信用経済は将来的に貨幣経済に置き換わるかもしれません(なくなることはないと思いますが)。

そんな感じのことが書いてあります。

要は、ルーチンワークを真面目にこなす人よりも好きなことをとことん突き詰めるクリエイティブな人のほうが評価されるようになるってことです。つまり、「残業しないでとっと帰りやがれ」です。

 

ご一読あれ。