数字の見方 ~物事を定量的に捉えるために

【目次】

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ロジカルシンキングの回で、『物事を定量的に捉える』という話をしました。

定量的に=数字をもって、ということです。

そこで、今日は数字の見方について解説します。

 

数字の見方はたった3つ

数字をどのように見ていくと定量的に捉えられるようになるのでしょうか。

方法はとても簡単です。たった3つの方法を覚えるだけで把握できるようになります。

たった3つなので、暗記してください。

 

① 変化をみる(時系列でみる)

人口が過去からどれくらい増えているか(減っているか)など、推移を把握するために使用します。

  • 使用例:人口推移、売上推移
  • グラフ:棒、線など

(イメージ)線グラフ:仙台市の人口推移

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仙台市の人口はH29年時点で109万人弱です。

しかし、それだけ見ていても増加しているか、減少しているかはわかりません。過去(H17年)からの推移を見ることで、毎年逓増していることがわかるわけです。

また、トレンドがわかると、増加傾向はしばらく続きそうだと予測を立てることも可能になります(ちなみにH32年にピークアウトするそうです)

 

② 基準と比較する

目標や基準となる数値と比べてどの程度の差が生じているかを把握するために使用します。

  • 使用例:消費者物価指数、売上目標と実績の差額(もしくは比率)
  • グラフ:棒、散布図、レーダーなど

(イメージ)レーダーチャート:国を基準(100)とした場合の大阪の値/引用:大阪市

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大阪市民は、全国の平均と比較した場合、疾患による死亡が多いことがわかります。一方、事故死は全国と比べて大差がなく、老衰は少なくなっています。

ということは、大阪市は医療福祉施策(未病や健康寿命延伸の啓発等)を優先するといった方針を出せるかもしれません。

 

③ 構成比をみる

全体におけるシェア率や構成比率など、割合を把握するために使用します。

  • 使用例:年齢別人口構成、売上原価構造
  • グラフ:円、積み上げ棒など

(イメージ)円グラフ:某HPにアクセスする端末の構成比

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某HPにアクセスする端末はモバイルが多いことがわかります。デスクトップは将来的にさらにマイナー化しますので、ますますモバイルでの閲覧が多くなることが見込まれます。

今後は、モバイルファーストなUIにする、格安端末のような低速回線でもすばやく表示されるように画像を軽量化する、PDFはなるべく使わないといった運営方針を出せるかもしれません。

 

シンプルですが、世の中の数値データはこの3つのいずれかで表現されています。

何かデータを見た際には、どの見方が使われているかを考えてみてください。

 

ミックスしてこそ価値がある

上述の数字の見方3つは単体でも活用可能ですが、ミックスして使用すると、より説得力が増しますし、相手は理解しやすくなります

例えば、貴方が上司にこんな報告をしたとします。

「去年よりもセミナー参加者が10名増えました!(ドヤ)」

これ、変化(『①変化をみる』)はわかるのですが、それ以外の情報がないので、上司としては評価をしづらいんです。

なので、上司としては「定員は何名なの?(②基準と比較する)」、「新規参加者の割合は?(③構成比をみる)」といった質問をせざるを得なくなるわけです。

「去年よりも参加者が10名増えました。定員20も埋まりました。新規企業が8割なので新規登録求人も増やせそうです。最低10件は求人登録してもらえるよう当日は登録手続を云々…」

これだと①②③全てが網羅されているので、報告を受けた上司としては評価しやすくなりますし、必要に応じてフィードバックや新しい指示を出せるようになります。

ぜひ多面的に数字を捉える習慣を身につけてください。

 

比較はApple to Apple

数字を比較する際の注意点です。

比較する際には、同一条件もしくは同性質のものを比較しましょう。これを Apple to Apple といいます(直訳は リンゴにはリンゴで)。

例えば、レストランの経営者が自店の原価率の高さについて分析する時には、きっと飲食業の業界平均原価を参考にしますよね(建設業の業界平均原価を参照したりはしません)。客数について分析する時は、近隣の競合店の客数と比べるはずです(1,000km離れた飲食店と比較したりはしません)。これが Apple to Apple です。

そんなこと知ってるわ!って言われそうですが、できていない人たくさんいますからね。

例えば、100万円の予算をかけたAセミナーと5万円の予算をかけたBセミナーの参加者数を比べるとか。消費者向けのCセミナーと企業向けのDセミナーの満足度を比べるとか。こんな比較が往々にしてありますから、注意が必要です。

ちなみにこういった比較を Apple to Orange (リンゴとオレンジを比べても意味がない)と言ったりします。

 

 

以上です!

数字の見方はロジカルに考えるための基礎スキルです。必ず覚えておきましょう。

 

 

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