数字の見せ方 ~物事を定量的に伝えるために

【目次】

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前回は数字の見方について解説しました。

今回は数字の見せ方です。

 

成果をつくる

「かわいいはつくれる」というキャッチコピーを覚えているでしょうか?

”シャンプーはかわいいをつくるための道具”であると提案した花王エッセンシャルのCMです。2006年頃にバズりました(バズるという言葉はこの頃はまだ生まれてないですね)

さて、これを今回のテーマに置き換えるとこうなります。

成果はつくれる。数字は成果をつくるための道具。

数字の見せ方とはつまり成果を魅せるための一連のテクニックなのです。

 

何を伝えたいのかを先に決めておく

では、見せ方の具体的な手順について解説していきます。

やるべきことは以下の3つです。必ずこの順番で進めましょう。

  1. 結論(伝えたいこと)を先に考える:仮説
  2. 結論に合わせて数字を用意する:検証
  3. アウトプットする(レポート等に起こす)

ポイントは結論を先に考えること。そして、その結論にうまく数字を結びつけることです。結論を根拠のあるものにするために数字を活用するように心がけてください。

先に数字をガチャガチャしてから結論を導く、というやり方もないわけではないです。でも、それでは目的と手段が逆になってしまってますし、作業的にも効率が悪いです。

  

セミナーを例にすると

セミナーの利用実績を例にして考えてみたいと思います。

あなたは部長に、キャリコンについて改善の取り組みをアピールしたいと考えています。

このような場合、下記のような流れで進めます。

1.結論:「キャリコンでキャンセル防止対策を講じた結果、改善効果があったよ!」

2.用意する数字:以下3つをミックスして使う。

  • A 去年からの推移(数字の見方①変化をみる)
  • B 定員に対する充足度(②基準と比較する)
  • C キャンセル者の割合(③構成比をみる)

3.アウトプット:例えば下記のようなアウトプットが考えられます。

  • AとCのミックス

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  • AとBのミックス

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分かりづらいかもしれませんね...

とにかく、結論に数字を結びつけていくことを意識して、まずは実践してみてください。

 

数字の見せ方は諸刃の剣?

すでに気づいているかもしれませんが、成果をつくれるということは、おのずと自分にとって都合の良い数字のみを採用しがちになります。

上の例で言うと「キャンセル率が3%に減りました!(ドヤ)」だけでは、自分都合の数字の見せ方になってしまいます。私が報告を受ける側だったら「で、全体の参加者数は増えたの?」といったリアクションをするでしょう。そこで参加者が減っていたとなると、本末転倒感がすごくて、もはやドヤれない案件になってしまうわけです。

ですので、結論に客観性をもたせ、自分の思い込みの域から脱するために、いろんな角度から検証するようにしましょう。そのためにも3つの数字の見方とそれらのミックスは必要なのです。

(悪い例)

 

まあ、あえてマイナスの面を見せず、しれっと結論を押し通す駆け引きもたまにやったりしますが、諸刃の剣なのであまりオススメしません。

 

 

以上です!

数字の見方はロジカルに考えるための基礎スキルとお伝えしましたが、同じく見せ方も重要なスキルです。ぜひ見方とセットで見せ方も覚えてください。

 

意識高いヨミモノ

booklog.jp

コンセプトのつくり方 たとえば商品開発にも役立つ電通の発想法

数字の見せ方についての書籍を読んだ記憶がないので(そもそもそんな本はない気がする)、別分野の本をご紹介します。

1日に「コンセプト」という言葉を100回くらい発するほどコンセプトは重要だと考える私ですが、この本は「そもそもコンセプトってなんやねん?どうやって作んねん?」という迷える子羊向けの本です。

薄い本なので、30分もあれば、読み終わります。しかし、帯にも書いてあるとおり、これをすぐにできるかというと「そんな簡単にできるわけないやろ、アホか」です。

できるまでトライ&エラーを繰り返しましょう。

 

ご一読あれ。