ニーズの発掘のポイント

【目次】

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今回はニーズについてです。

ニーズをつかむって、簡単そうにみえて、すごく難しいです。

たけしの挑戦状をクリアするくらい難しいです(たけしの挑戦状、知ってます?)

  

答えは顧客の中にある

「まずはアンケートでニーズ調査してみましょう」、「ニーズに耳を傾けましょう」...... この界隈、みんな狂ったようにニーズ、ニーズって言います。末期のニーズアディクトです。

それはさておき、そもそもニーズってどこにあるんでしょうね?そう、それは顧客の心の中にあります(ドヤ)。まあ、当たり前ですけどね。

では、ニーズには2つの種類があるのはご存知ですか?1つは顕在ニーズ、もう1つは潜在ニーズです(ドヤ)

  • 顕在ニーズ:顧客が自身で認識しているニーズ
  • 潜在ニーズ:顧客が自身で認識していないニーズ

バリ簡単なので覚えておきましょう。

なお、潜在ニーズはインサイトともいいます。アンケートやヒアリングのような調査ではなかなか出てきにくいニーズです。潜在ニーズも含めて、顧客からいかにうまくニーズを拾い上げるか。腕の見せ所です。

 

ニーズ=購買 ではない

顧客ニーズの把握方法として代表的なものにアンケート調査やヒアリング調査があります。回答者は自身のニーズについて認識したうえで回答しますので、この場合のニーズは顕在ニーズになります。

ちなみに、アンケート調査やヒアリング調査などで得られるニーズにどれほどの価値があるか考えたことはありますか?例えば、フォーカスグループインタビューで頂いたユーザーの声に応える製品を開発したとします。調査に協力した(言いたい放題言った)ユーザーはみなその製品を購入すると思いますか?

答えはNOです(ドヤ)

必ずしも購入してくれるとは限りません。買わない人の方が多いこともあります。

回答した時の会場の雰囲気、ユーザーの精神状態、その後の状況・心境変化等さまざまな要因によって、購買意欲は変化していくからです。そもそも買う気がないけど、インタビューには協力したという人もいるでしょう。

ニーズ把握は失敗の確率を下げるためには役立ちますが、成功を100%保証するものではありません。大事なことなので、忘れないように心のタトゥーを刻んでおいてください。

 

顧客はニーズに気づいていない

顧客のお話を伺うことも重要ですが、ニーズは常に顕在しているとは限りません。顧客が認識していない潜在的なニーズ(インサイト)もきちんと拾えるようになりましょう。

例えば、iPhoneは、顧客のほしいという声を受けて作られたわけではないですよね。「小型デバイス1台で電話、カメラ、PC、インターネットができたら最高だよね?できるよ、iPhoneならね」と、Appleが顧客に提案して初めて顧客が自分のニーズに気づいたのです。それまで世の中になかったわけですから、顧客がニーズを持てないのも無理はありません。

また、世の中にあってもその存在や価値を知らなければ自身でニーズを顕在化させることはできません。例えば、食洗機やロボット掃除機などは使うまで良さがわからないわけです。でも、一度使ってしまったら最後、家事代行機器なしの生活は考えられなくなってしまいます。お金で時間を買うという概念が自分の中に生まれると、次は乾燥機付き洗濯機を買ったり、家事代行サービスを頼んだりしたくなるのです。

潜在ニーズは自分では気づけないものです。心の中に存在しているのに…… ですので、気づかせるためのアプローチをきちんと行っていきましょう。

 

 

ニーズの見つけ方

顕在ニーズの見つけ方については触れなくて良いでしょう。すでにさまざまな方法をご存知だと思います。ここでは、潜在ニーズ(インサイト)のみを取り上げます。

潜在ニーズをつかむためにはまず対象者の観察が必要です。そして観察を通して現状を確認し、現状と理想のギャップをマーケティング視点で捉えていきます。

では、どのように進めていけばよいのでしょうか。実はインサイト探索のためのフレームワークがあります。そちらを使うと良いでしょう。

(イメージ)インサイト探索のためのフレームワーク

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(出典:『戦略インサイト』)

詳細は下部(意識高いヨミモノ)で紹介する「戦略インサイト」を読んでいただくとして、ここでは簡単に解説します。

まず、人(ヒューマン)と製品分野/業界(カテゴリー)の2種類のインサイトをつかみ、それらを合わせたキーインサイトを導き出します。その後、ブランド資産や製品特徴を踏まえてキーインサイトに対応する製品提案(プロポジション)を行います。

わかりにくいですね笑

例示したら少しはわかりやすくなるかもしれません。例えば、iPhoneの場合、下図のようになります。

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ユーザーがガラケーや携帯業界に抱いている感情を組み合わせて、”全部載せおしゃれモバイル”というキーインサイトが導き出されています。そして、キーインサイトに応える形で、デザイン性・機能性を兼ね備えたオールインワンモバイル iPhoneを顧客に提案しています。Appleに聞いたわけではないので合っているかどうかわかりませんが(推測で作ってみました)、おおよそこのようなものだと思います。

潜在ニーズというと、ぼんやりしていてわかりにくいですが、上図のように細かく分解して考えていけばそれほど難しくないと思います。それでも難しいですけどね。

新規事業をつくる時やセミナー等を企画する際には、フレームワークにうまく落とし込みながら、まずインサイトを探索していってください。

 

意識高いヨミモノ

 

booklog.jp

『戦略インサイト――新しい市場を切り拓く最強のマーケティング

ニーズ掘り起こしのための手法がわかりやすく書かれています。上述したフレームワークについても詳しく解説されています。

この先も延々と続く仕事人生。ニーズと離れることなんてできないでしょうから(ニーズのない仕事なんて仕事ではありません)、ここでしっかり勉強しておきましょう。

 

ご一読あれ。